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新庄カド焼きまつり

いま、山形から・・・ 山形の旬だより 春の訪れを喜ぶ酒宴 新庄カド焼きまつり(新庄市)
(平成28年4月15日掲載)

 暖かな春の日差しの下、炭火で焼いたカドを食べながら、酒を酌み交わす。県内有数の豪雪地帯である最上地域では、自然の移ろいに感謝し、春が来た喜びをご近所や友人同士で分かち合う、昔ながらの風習が受け継がれています。


 

春の訪れを告げる魚「カド」

 山形県内で広く食べられているカドとは、ニシンのことで、春になると産卵のため北方の海に姿を現すことから、「春告魚はるつげうお」とも呼ばれています。

 「ニシン漁が盛んだった時代、北海道では、産卵のためにニシンが岸に押し寄せ、遠目からでもその様子が見えるほどだったそうです。押し寄せたニシンが門口カドグチでも獲れそうなほど、たくさん見えたことからカドと呼ぶようになったと聞いています」と新庄観光協会 事務局長の大類さん。「昔は冷凍技術がなく、雪深い新庄で、冬に鮮魚を手に入れることは困難でした。そのため雪解けとともに運ばれてくる生のカドを丸ごと焼いて、酒を酌み交わしながら春の到来を喜んだのです」。


 

新庄の人々に親しまれてきた習い

 それはどのような酒宴だったのでしょう。新庄の郷土史家、大友義助おおともぎすけさんが書いた『「雪国文庫」5 雪の言葉』(新庄市雪の里情報館発行)の第十章「季節の行事・季節の移ろい」にカド焼きの記述があります。

 “カド焼きは、最上地方の早春の楽しい行事である。『日本国語大辞典』によると、カドはニシンの異名で、東北地方(但し、全域ではない)で使われている、いわばニシンの方言であるという。ただし、江戸時代前期頃は、関東・一部関西までも使われていたようである。

 最上地方では、昔から早春の一日、隣・近所、あるいは職場の仲間・若者組一同打揃って、一重一瓢いちじゅういっぴょうを携え、村の近くの丘に登り、獲れたてのカドを焼いて酒宴を張る習いがある。

 そこは日当たりのよい、雪の消えた場所である。カドは日本海で獲れた、油ののった旬のもので、これを強い炭火でジュウジュウ焼いて食べる。特有の強い匂いが当たり一面に広まる。カド焼きは、まことに野趣に富む行事である。

 カド焼きが終われば、田畑の仕事が始まる。まず、あぜ塗り、次いで田起こし。長い冬でなまってしまった体には、きつい力仕事である。一匹ままの脂ののったカドは、この体を目ざめさせ、力を回復させるにはもってこいである。カド焼きはこのための行事とも言える。…”
「12カド焼き」p.285より抜粋

 なんとも大らかで楽しい、カド焼きの風景です。


 

地域の習いを祭りとして伝え続ける

立ち込める煙の中、祭りのスタッフが1本1本丁寧に焼き上げていきます。焼きたての熱々のカドは絶品です。
トロリとした白子が魅力のオスとプチプチとした卵がぎっしり詰まったメス、どちらになるかは食べるまでのお楽しみ。
前売券(お一人様2,000円(税込))または当日券(同2,300円)をお買い求めください。カド焼き(大1匹)・花見だんご・お茶・山菜がセットになっています。

 昔から風習として各家庭などで行われてきたカド焼きですが、ある時「どこか1ヶ所に集まって、お祭りのようにして行ってみてはどうか」という話が持ち上がります。その声をきっかけに、新庄観光協会が地元の住民に呼びかけ、昭和49年に初めて「新庄カド焼きまつり」が開催されました。地域に根差した祭りは、その後途絶えることなく続き、今年で43回目を迎えます。近年では、地元住民のみならず、首都圏などからも多くの観光客が訪れているそうです。

 「カドは1匹400gほどの大ぶりなものを、炭火で丸ごと焼いて提供しています。1人で食べればお腹いっぱいに、2人で分けて食べても十分満足できる大きさです。1匹ずつ串を打ち、炭火で表と裏、次に腹、背中と25分ほどじっくり焼くと、余分な脂が落ち、格別な味わいのカド焼きになります」と大類さん。「これほど大きなカドを2000匹以上準備するのは年々難しくなっていますが、楽しみにしてくださっている方がたくさんいますので、各所にお願いして必要な量を確保できるように努めています。また、カドを焼くための炭70俵も、冬のうちから手配して祭りに備えています」。

 祭りの会場は、山形新幹線の終着駅である新庄駅から歩いて15分ほどに位置する最上公園です。新庄藩戸沢政盛が築いたとされる新庄城の跡地であり、桜の名所としても有名なこの場所で、焼きたてのカドをほおばりながら、春の訪れとともにお祝いしてみませんか。


 

 

第43回新庄カド焼きまつり
平成28年4月29日(金・祝)~5月5日(木・祝)
時間/11:00~16:00(15:00受付終了)
会場/最上公園内「特設会場」
※前売券の販売は、4月28日(木)までです。
※桟敷席をご利用の場合は、座席券(300円)が必要です。
※詳しくは、新庄観光協会へお問い合わせください。

 


 

取材協力・お問い合わせ

新庄観光協会 tel.0233-22-2340
 


 


 

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  • 平成28年4月15日掲載

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