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楢下宿

いま、山形から・・・ 山形漫歩 現在(いま)に息づく、宿場町の趣。 楢下宿(ならげしゅく)(上山市)
(平成28年10月21日掲載)

 羽州街道の宿場町として、江戸時代には参勤交代や出羽三山詣で賑わいをみせた楢下宿。現在も残る茅葺屋根の古民家や石造の眼鏡橋など街道の歴史を感じさせる景観が広がります。山々が赤や黄色に色づきはじめるこれからの季節、歴史の流れに想いを馳せながら小旅行はいかがでしょう?


十三藩の大名が利用した宿場町
遠藤宰吉さん。「じいちゃんずくらぶ」のガイドは、一回2,000円で5日前までの要予約。詳しくは上山市観光物産協会へ。

 宮城県七ヶ宿から金山峠を越え、上山にぬける羽州街道の宿場町が楢下宿です。江戸時代の参勤交代の際には、新庄藩や庄内藩、秋田佐竹藩、遠くは津軽藩など、日本海側の十三藩がこの宿場町を利用したといわれています。

昔使われていた蓑なども展示されています。遠藤さんたちガイドは、昔の文化を語り継ぐ役割も担っています。

 楢下宿のガイドを担当している「じいちゃんずくらぶ」のメンバーの一人で、上山市楢下宿保存会会長の遠藤宰吉さいきちさんに楢下宿の歴史や魅力を教えてもらいました。

 「楢下宿は、江戸から来る場合、福島県の奥州街道から羽州街道にわかれ、出羽の国に入ってから最初に本陣をしく宿場町なんです。宮城と山形を結ぶ峠は、関山や笹谷などさまざまありますが、金山峠は標高が低く、使いやすかったようで、楢下宿は宿場町として栄えました。宿場町というと、数百軒が立ち並ぶ大きな集落が一般的ですが、楢下は60~80軒の小規模な集落。その中に23軒の旅籠屋をはじめ、大名や役人などが宿泊する『本陣』やその予備の『脇本陣』、幕府や領主のおふれを通達する『高札場』などがあり大変賑わいを見せていたようです。荷物の取次をする『問屋といや』も設けられ、荷物を運ぶために馬23頭と人足23人を常備するよう定められていた、と言われています。それだけ交通の要所であったということでしょう」。


日常生活の中に自然に残る歴史の街並み
駐車場、トイレもあり、周辺散策の拠点となる大黒屋。楢下宿の古民家は毎週水曜日が定休日ですのでご注意を。

 楢下宿の魅力の一つに、「当時の姿が自然に残っていること」があると遠藤さんは言います。築200年を超える大黒屋をはじめ、庄内藩が脇本陣としていた庄内屋、現在は資料館となっている滝沢屋(旧丹野家住宅)など、楢下宿には5軒の古民家が現存し、内部を見学することができます。

江戸時代後期の旅籠建築の遺構として貴重な大黒屋

 建築材料や建物の作りなど、当時の様式をそのままに残している建物ばかりです。これらの古民家は、多くが普通の住宅の隣に、自然な形で残されています。また、集落の中心を流れる金山川には、通称「眼鏡橋」と呼ばれる二つの石造りの橋が明治時代の山形県令・三島通庸の命でかけられ、今でも現役で使われています。観光目的で意図的に整備された街並みではなく、日常生活の中にごく自然に歴史が残る街並みなのです。


楢下宿のおすすめスポット
上流側にかけられている新橋。石造りの重厚な佇まいに歴史の重みを感じます。

 遠藤さんに楢下宿のおすすめスポットをご案内してもらいました。「是非、金山川にかかる二つの眼鏡橋は見ていただきたいですね。普通、眼鏡橋と言うと、一つの橋に二連アーチがあるものを言います。楢下宿の眼鏡橋はアーチが一つですが、上流側に新橋、下流側に覗橋のぞきばしがかけられて、二つあわせて眼鏡に見立て“眼鏡橋”と呼ばれています。橋は古民家に近く、川のせせらぎや山々の景色と相まって、絵になるスポットです。ガイドをしていると、みなさん写真を撮っていかれますね。そのほか、もう一つのおすすめが、1753年建立の浄休寺じょうきゅうじからの眺めです。少し高台になっているため、楢下宿の入口側の景色を一望することができ気持ちいいですよ」。

下流側にかけられている覗橋と山田屋。橋のたもとには柿の木があり風情があります。
推定樹齢300年のイチョウの木がある浄休寺からは、楢下宿の街並みを感じることができます。
紅葉の見頃は例年、10月下旬から11月上旬頃まで。他の季節も四季折々の表情を見せてくれます。


地元の食材をふんだんに。お母さんたちのおもてなし。
「ばあちゃんずくらぶ」の佐藤道子さん

 楢下宿では、四季折々の地元食材を使った田舎料理をいただくことができます。

いろりを囲んで地元の方の話を伺うのは風情があります。
納豆あぶり餅。山形名物・納豆餅を竹串に刺していろりで焼きます。

 「今の時季であれば芋煮や栗ごはん、芋ごはんと言った季節の料理や、楢下宿の粟野豆腐屋の厚揚げや、浄休寺の銀杏を使った豆乳茶碗蒸しなど地元の食材を使った料理を作ってお出ししています。一つ一つ手作りです。毎回、甘酒をお出ししているんですが、『昔、お母さんが作ってくれた味だ~』と喜ばれたことがありました」と、料理を担当している「ばあちゃんずくらぶ」の佐藤道子さん。

 地元のお母さんたちの真心がこもった料理の数々を、茅葺屋根の下でいただく…。ゆったりとした時間が流れ、とても贅沢なひとときです。いろりで焼いていただく楢下宿の名物「納豆あぶりもち」の販売も行っており、「おもてなし料理」と「納豆あぶりもち」は、5名以上の利用、5日前までに予約が必要です。紅葉とあわせて、田舎料理も堪能できるのは嬉しいですね。

おもてなし料理は1,620円を基本に応相談。予約・問い合わせは上山市観光物産協会まで。

 地元の方のガイドや料理によるおもてなし…。古民家や石橋だけでなく、地元の方の心づかいに、また、宿場町としての面影が残されているのかもしれません。そんな楢下宿の風情に触れに、また、足を運びたくなります。


取材協力・お問い合わせ

上山市観光物産協会 tel.023-672-0839 http://kaminoyama-spa.com



 

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