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優秀賞・高1

高校生・一般部門 優秀賞

 

お婆さんとの思い出
山形県立東桜学館高等学校 3年
前田 彩
 
 私の家の近くには足の不自由なお婆さんが住んでいた。お婆さんは、とても優しくて、頼りになる明るい性格の人だった。私は、悩んだりしたらお婆さんによく相談していた。他にもお婆さんにはたくさんの事をして貰った。お婆さんにはいつも助けてもらうばかりだった。私は、よくお婆さんの買い物について行った。そして、買い物に行くとお婆さんの乗っている車椅子を押してあげていた。私は、お婆さんとの買い物がとても楽しかった。
 
 ある時、お婆さんの買い物にいつも通りついて行った。お婆さんに取ってほしい商品を聞いて取ってあげている時のことであった。私達の近くにいた年配の女性がにこやかに笑って、
 
「介護してくれる人がいていいですね。」
 
と言った。お婆さんは笑顔で、
 
「本当に助かっています。」
 
と言った。お婆さんは、明るく会話をしていたが、私は女性の言葉を聞いていて、お婆さんの介護をしているつもりはなく、私がついて行きたくてついて来ているのに、他の人から見たら私が介護してあげているように見えているのだと思った。お婆さんは、優しいから私がついて来てそういう風に見られるのが嫌でも言わないのではないかと思った。
 
 私は障害のある人にとって介護をしてもらうということは、自分で出来ない事を認める行為に繋がるのではないかと考えていたから、お婆さんにいつも辛い思いをさせていたのではないかと思った。
 
 買い物が終わり、お婆さんの家に帰る時もずっと自分の行為のせいでお婆さんが嫌な思いをしていたらどうしようと考えていた。そして、お婆さんの家に着き、私は我慢出来ずにお婆さんに自分が思ったことを話し、それに対してお婆さんはどう思うか尋ねた。そしたら、お婆さんは笑顔で私の手を強く握り、
 
「いつも買い物を手伝ってくれてありがとう。私も二人で行く買い物が楽しいよ。介護してもらうことはとても嬉しいことであって辛いことではないよ。介護してもらうからこそ、出来る事が増えているんだよ。」
と言った。私はその言葉を聞いて驚いた。
 
 そして、お婆さんが私が手伝うことを全然嫌だと思っていなくて安心した。
いつも私がお婆さんに助けてもらうばかりだと思っていたのに、お婆さんに自分が頼られていたことを知り、嬉しかった。お婆さんとの強い心のつながりを感じた。これからもお婆さんの力になりたいと思った。もっとお婆さんに頼ってほしいと思った。
 
 そして、この出来事をきっかけに、介護という言葉に対するイメージが変わった。前は、介護は自分で出来ないことを人の力を借りることによって出来るようになるという事だと思っていた。障害のある人にとっては自分の出来ないことを認め頼るということは辛いことだと思っていた。
 
 しかし、今は介護の意味を前向きに考えている。私もお婆さんと同じように考えるようになった。お婆さんは自分で出来ない事を他の人の力を借りて出来るようになることはとても嬉しいことであり、手助けがあるからこそ自分で出来る事が増え、体が不自由でも明るく生きていけると考えていた。私は、体が不自由なわけではないがこのように介護という言葉に対して明るいイメージを持つようになった。
 
 お婆さんとのあの出来事の後、しばらくたってお婆さんは、息子さんと暮らす事になって引っ越してしまって私の家の近くにはいなくなってしまった。私はお婆さんとの心のつながりを忘れずにいる。障害のある人の気持ちを理解することは難しいと思うが、障害のある人との心のつながりはあると思う。私は、自分の出来る範囲で障害のある人の介護を少しでも多くしていきたい。

 


 

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