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最優秀賞・中

中学生部門 最優秀賞

 

個性を輝かせて
南陽市立沖郷中学校 2年
青木 ひなた
  落ち着きがなく、思ったことをすぐ口にしてしまう・・・。そんな弟に小さい頃からいら立つ毎日でした。私の弟は、幼い頃から注意力に欠け、気にくわないことがあると暴れてしまうことが多くあったのです。
 
 詳しく検査してもらうことになった弟は「注意欠陥・多動性障がい」つまり「ADHD」という診断を受けました。
 私は、初めて聞く四つのアルファベットに混乱するばかりです。なぜ弟が、その障がいをもって産まれてきたのか、頭の中はハテナマークでいっぱいでした。
 
 弟が小学一年生になり、私は毎朝一緒の登校班で学校に通っていました。ある日のことです。弟は車道へと勢い良く飛び出していったのです。私は、「危ない!」と      
とっさに叫びました。何とか呼び止め連れ戻すことができましたが、大きな事故に繋がっていたかもしれません。それから、しばらくの間、弟は母と一緒に登下校をすることになりました。
 
 しかし、そんなことがあっても、弟は悪気がないと言わんばかりに、けろっとしています。「こんなに私も母も心配しているのに、どうしてそれが伝わらないのだろう。」
「他の一年生はもう付き添いなしでも登下校できているのに、なぜ弟はできないのだろう。」と、弟に腹が立つと同時に、私は弟の障がいが恐ろしく思えました。
 
 そんな私に向かって、「大変だけど、ひなた、よろしくね。」と母は言います。
しかしそう言われても、素直にはなれません。「私だって友達とおしゃべりしたいのに。どうして弟の面倒を見なくちゃいけないの。」「弟になにかあれば、私のせいにもなるんだ。」そんな責任感といら立ちにとらわれるようになっていた私は、弟にきつくあたり、ケンカする日がどんどん増えていきました。
 
 夏休みに、地区の子供会の行事で「山形バリアフリー観光ツアーセンター」の皆さんとお会いする機会がありました。主催者は、体全体の筋肉が弱っていくという病気を患い、車いすで生活されている方です。その方から障がいをもつ人と、もたない人との壁をなくすため、「障害」の「害」という字を漢字ではなく、ひらがなで書くということを教えて頂きました。その話を聞いて、私は、まるで心の中にたまっていたほこりが、少しずつきれいになっていくような感覚になりました。
 
 思い返せば、私は今まで、すぐ騒ぎ出す弟に対して「うるさい」と感じてきました。しかし、弟の所属するスポ少や、クラスの人は「元気があっていいね。」と認めてくれているのです。その周りの温かさのおかげで、弟も少しずつ考えて行動できるようになってきたと感じます。さらに、集中力のない弟ですが、スポ少も辞めることなく続けています。何より「学校に行くのが楽しい。」と言っています。
 
 見方を変えるだけで、障がいをもつ方も、自分の障がいを重荷に感じることなく、自信をもっていろんなことに取り組めるようになるのかもしれません。今まで見えていなかったものが見えるようになった私は、そのことに気づくことができました。
 
 障がいは、「害」ではなく、その人の個性。そう言えるようになった今、弟の個性を「害」と決めつけ、弟と向き合うことから逃げてきた過去の私は、もうどこにもいません。
 
 私は、これから、周りでサポートが必要な人を見つけたら、「障がい」という偏見をもたず、温かい目、温かい心で寄り添っていこうと思います。そして、今まで障がいを理由に諦めていた人たちが、自信をもってチャレンジできる社会、希望に満ちて誰もが輝ける社会を、私たち中学生は目指していかなければならないと思います。弟は、私にこの思いを抱かせてくれた、大切な存在です。
 私は、この思いを若い世代の人たちに伝えていく仕事に就きたいと考えています。そして、障がいというかけがえのない個性をもった人たちが輝き続けられるようにしたいです。

 

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